2024年から新NISAが始まることで、貯蓄より投資した方がいいと世間では騒がれています。でも、誰もが投資をした方がいいという訳ではなく、特にシニアはおすすめしません。その理由を解説し、投資よりも安全にお金を増やす、シニアにおすすめの国の制度を紹介します。
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シニアの趣味に投資をおすすめしない理由①金融庁おすすめの長期投資ができないから
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政府が2024年改正した新NISAは、人生100年時代を見据えて国民に安定的な資産形成をしてもらうための新制度です。以前のNISAと比べて保有期間が無期限になり、年間投資枠も最大で360万円と大幅に増えました。
NISAが神改正をされたとネットで大騒ぎになっていますが、それでもシニアが新NISAを利用して投資をすることをおすすめしません。その理由は、投資で安定的に利益を生むには長期間投資することが大切だからです。
投資で大切なことは、「長期投資」「分散投資」「積立投資」
株式投資や投資信託には元本割れのおそれが常にあります。しかし元本割れのリスクを減らすことも可能です。元本割れのリスクを減らすためには「長期投資」「分散投資」「積立投資」をすることが大切であると金融庁が提唱しています。
長期投資とは
投資に大切なポイントとして、複利効果というものがあります。複利とは簡単に説明すると、投資で出た利益を現金でもらうのではなく、元本に加えて再投資することです。複利を利用することで飛躍的に資産を増やすことが可能になります。
出展/楽天「トウシル」より
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アインシュタインが「複利は人類最大の発明」と語ったと言われています。それくらい複利で資産を効果的に増やすことができるんです。そして複利効果を発揮するには、長期投資が重要になってきます。ここでいう長期投資は15年~20年を指します。
分散投資とは
投資をする上で有名な言葉があります。「卵をひとつのカゴに乗せてはいけない」です。ひとつのカゴに乗せていると、カゴを落としたら全て割れてしまいます。投資も同様、一つの投資銘柄に投資するのではなく、いくつかのものに分けて投資することで、リスクを軽減させることができます。この投資手法を分散投資といいます。
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積立投資とは
株式や投資信託を購入する際に、一か月ごとなど期間を決めて、定額をコツコツ購入し続ける方法です。投資は買う商品の金額が短期間で上下します。定額を定期的に購入することで、一度に購入するより高値掴みするリスクを減らすことができます。
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シニアに長期投資がおすすめできない理由
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長期投資のメリットは、複利の効果を最大限に活用できることです。米国の優良企業500社に投資したS&P500や世界中の企業に投資した全世界株オールカントリーなどの優良投資信託は、長期保有すれば高い確率で価値が上がると言われています。しかし、短期では、価値の上下が激しい商品。
人の寿命は誰にもわからないうえに、急に入院などでお金が必要になった時に、株価が下落していたら確実に損をしてしまいます。そういった観点から、シニアの方にはおすすめできません。
資産を持て余しているのなら別ですが、15年や20年投資でお金を拘束して増そうとするよりも、いつでも自由に使える形(現金)にしておくことを強くおすすめします。
シニアの趣味に投資をおすすめしない理由②リスク許容度が低いから
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一般的に、老後に株式などの価値が乱高下する資産を保有することはおすすめされていません。投資は思いのほか、感情を揺さぶられてしまうものです。投資をするにあたり、リスク許容度がどれくらいあるかはとても大切になってきます。
リスク許容度とは、どれだけ損失に耐えられるかの度合い
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リスク許容度は、どれだけ投資によって生じた損失に耐えられるかの度合いを指します。株価は乱高下を繰り返しながら価値が上昇していく特性があります。リスク許容度が高ければ、適切に対応できますし、リスク許容度が低ければ値動きに一喜一憂してしまい、焦って決断をミスしかねません。
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リスク許容度は以下の要素が大きくかかわっていると言われています。
- 年齢(若ければ若いほどリスク許容度が高くなる)
- 保有する資産額
- 投資経験
- 本人の性格
高齢になるとリスク許容度は低くなるので、投資には向かない
高齢になると、収入は年金がメインになり資産を取り崩していく生活となるのが一般的です。多くのシニアは収入の増加が見込めません。投資に資金をまわすより、病気やケガなどの不測の支出に対応するために貯金で、資産を保有していた方がよいと言えます。
投資は資産を増やす可能性を秘めていますが、それと同様に資産を減らす可能性もあります。老後の資産を増やすことを考えるよりも、老後の資産を減らさない、守り切ることがとても大切です。
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老後の資産が十分にあるから投資をしてみたい、という人は参考にしてみて↓
保有資産額は人それぞれです。インフレでお金の価値が目減りしているのだから、インフレに強い株式などに資産を組み替えたいと考えている人もいるかもしれません。もし十分過ぎるほど資産があるのだから、投資に挑戦してみたいという方はこちらの式を参考にしてみてください。
株式の割合=100-年齢
65歳の年齢であれば、100-65=35
総資産の35%までなら、株式に投資しても大丈夫と言われています。
債権の割合=年齢
65歳の年齢であれば、債券を保有する割合が総資産額の65%が適切であると言われています。債権は株式と比較してリスクは低いですが、元本割れする可能性があることを忘れてはいけません。
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投資をするにあたり、とても重要なことは手数料の低い証券会社を利用することです。おすすめなのがネット証券になります。楽天証券やSBI証券などです。この二つの証券会社は手数料がほぼかかりません。
逆に証券口座を開いてはいけない場所は、手数料の高い銀行窓口や保険会社になります。手取り足取りとても丁寧に応対してもらえますが、手数料負けしてしまうので注意しなければなりません。
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シニアの趣味に投資をおすすめしない理由③お金の価値が年をとると共に下がるから
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お金というものは、使う人によって価値が異なります。例えば、海外旅行に初めて行く人と毎年海外旅行に行く人とでは、海外旅行に使うお金30万円は、価値が異なります。
同じ30万円でも、初めて行く人の方が得られる価値が高いのです。写真でしか見たことのない景色を生で見ることができて、感動した。本場ブロードウェイでミュージカルを堪能した。きれいな海でイルカと泳ぐことができた。どれも初体験の方が、同じ金額を支払った以上の価値を感じることでしょう。
経験値によってお金の価値が変わるということは、年齢によってお金の価値が変わるということです。
また同じ金額を使って、習い事をした場合も、若者の方がお金の価値が高くなります。習得スピードは若者の方が早いし、それを将来の仕事に活かすなど、お金を生み出すことにもつなげやすいのです。
シニアにとってのお金とは、未来の不安を軽減するためのもの
年齢があがるほどお金の価値が下がるというのは、落胆することではありません。シニアにとってのお金とは、幸せを生むものではなく、未来の不安を軽減するためのものなのです。病気やケガの時のために大切にとっておくものです。社会とのつながりや人とのつながりの中に、幸福を見つけていきましょう。
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シニアの趣味に投資をおすすめしない理由④投資詐欺にあうリスクがあるから
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投資という言葉を聞くと、詐欺という言葉が浮かんできます。それくらい、投資詐欺はよくあるものです。投資で増やしたいという人の根底に「お金を楽に増やしたい」という人間の欲望があります。「楽に増やしたい」という欲望と「投資でお金が増える仕組みがよくわからない」という2点を詐欺師が利用しているのです。
老後の資金は、余剰資金ではありません。これから、将来のために大切にとっておくための資金です。資金を増やしたいという人の心に付け入って、詐欺を働く詐欺師ですが、簡単に見抜く方法があります。相場を知るということです。
投資詐欺にあわない方法1 新NISAのつみたて投資枠の中から選ぶこと
新NISAを活用することです。新NISAのつみたて投資枠は、金融庁のお墨付きの商品に限られています(成長枠ではなくつみたて投資枠です!)。投資商品は玉石混交ですが、新NISAのつみたて投資枠は金融庁の定めた基準をクリアした商品になります。
もちろん金融庁お墨付きの商品といえど、元本割れのリスクはあります。新NISAを手数料がほぼ無料のネット証券で購入することが大切です。おすすめは楽天証券とSBI証券になります。
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おすすめ商品は、投資大国アメリカの成長企業500社に広く投資するS&P500インデックスファンドと世界中の企業に広く投資する全世界株オールカントリーです。S&P500インデックスはアメリカの経済成長を享受するタイプ。全世界株オールカントリーは全世界の経済成長を享受するタイプの商品になります。
投資の神様として名高いウォーレン・バフェットさんは、自分が死んだときのために奥さんに、財産の90%をS&P500インデックスファンドに投資するよう遺言で伝えたことはとても有名です。S&P500インデックスファンドも全世界株オールカントリーも、ともに低コストで運用されている商品になります。
投資詐欺にあわない方法2 利益の相場を知ること
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毎日スーパーへ買い物に行っていれば、大根や卵がいつもだいたいいくらで売られているか知っていますよね。150円くらいで売られている大根が、800円もしたら「高すぎる!」と思って買わないことでしょう。それが、スーパーの野菜の相場を知っているから判断できることなのです。
投資初心者や投資詐欺にひっかかる人は、投資で得られる利益の相場を知りません。知らないから、相場以上の利益に騙されて大金を渡してしまうんです。
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投資の天才ウォーレン・バフェットさんはだいたい年利20%で運用していると言われています。年利20%が投資の天才の投資成績です。それ以上の利益を述べているのは詐欺だと思って間違いありません。また多くの人がおすすめしているS&P500インデックスファンドの過去30年平均利回りは年利9.3%、全世界株オールカントリーの過去20年平均利回りは年利6.4%ほどになります。
国の制度を活用して、投資以外でお金を増やそう!
投資は15年~20年かけて複利で資産を増やしていくのにおすすめの方法です。株価は短期間で乱高下する性質と長期間の資金拘束の観点から、シニアには投資がおすすめできないことを述べてきました。しかし、投資以外にも収入を増やす方法があります。
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年金の繰下げ受給を活用する
年金は現在65歳から受け取れますが、受け取りを繰下げることで年金受給をアップさせることができます。1か月繰り下げるごとに0.7%ずつアップします。1年繰り下げたら、8.4%アップ。5年繰り下げたら42%アップ。10年繰り下げたら84%もアップします。
投資をした場合、平均5~7%の利回りが期待できますが、繰下げ受給であれば5年繰下げただけで受給金額が42%もアップする訳です。もちろん投資ではないので、元本割れなどありませんから、安全に受け取る金額を増やすことができます。
注意!繰下げ受給できないパターン
65歳時点で障害年金、遺族年金を受給している人は繰り下げられません。また繰下げ期間の途中でも障害年金や遺族年金の受給権を得てしまうと、繰下げ受給はそれ以降できません。
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付加年金を活用する
国民年金保険料に毎月400円上乗せして払い込む付加年金というものがあります。付加年金を払い込んだ総額の半分が、将来受け取れる老齢基礎年金に永久に加算されます。付加年金で払い込める金額は最大で、20歳から60歳までの40年間で192,000円。その半額の96,000円が毎年加算されることになります。実質2年間で付加年金のもとがとれる仕組みです。
- 付加年金として払い込んだ総額の半額が、永久に老齢基礎年金に加算される
- 付加年金として納めた保険料は全額所得控除の対象
- 付加年金を含んだ金額で、繰下げ受給の受給金額がアップされる
注意!付加年金を活用できない条件
付加年金を払い込むことができる期間は20歳から60歳までの間です。60歳以降は利用できません。
↓付加年金を活用できない人たち
- 第二号被保険者/会社員・公務員
- 第三号被保険者/第二号被保険者に扶養されている家族
- 国民年金保険料の納付を免除されている人/免除・猶予・学生特例
- 国民年金基金加入者
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それ以外のお金の増やし方
年金制度は、60歳過ぎてしまっては付加年金が使えなかったり、年金を受給してしまっては増やすことができません。60歳過ぎてから老後資金を増やす方法としておすすめなのが、スマホを活用することです。メルカリで家の中の不用品を売ったり、習字や写真が趣味であれば写真acやココナラで自分のスキルを売ることが手軽にできます。
後ほど、そちらの詳細記事もアップする予定ですので楽しみに待っていてください。
まとめ
2024年の新NISAは、多くの人にとって活用すべき神制度として絶賛されています。しかし、シニアが新NISAを使って投資を始めることは、おすすめできません。なぜなら
- シニアは長期投資に向いていないから
- シニアはリスク許容度が低いから
- 初心者は投資詐欺にあうリスクが高いから
逆にシニアの方の老後資金を増やす方法として、おすすめはこちら
- 年金の繰下げ受給
- 付加年金の活用
- スマホを使った不用品販売
- スマホを使って自分のスキルを売ること